ナウルは先進国の援助なしでは生活できない破綻国家

ナウルとは太平洋の赤道付近にある小さな島だけが領土の国です。面積は21平方kmほど、だいたい東京都港区よりちょっと大きなくらいとイメージしてもらえばいいでしょう。総人口は約1万人、港区は21万8千人ほどですからずいぶん人が少ないですね。

ナウルは援助なしでは生活できない破綻国家

実はこの国は数十年前は税金もなく教育費・医療費は全て無料、国民は無条件で年金が受け取れるので誰も働いたことがないという世界有数のお金持ち国家でした。それが今ではオーストラリアなどの先進国の援助なしでは生活できない完全な破綻国家になっています。

どうしてそんな国ができたのか、いったいナウルに何が起こったのか不思議かもしれません。ですが、その経緯を見ると大変興味深いものがあります。

ナウルはかつては主に魚を取って暮らしている先住民がいる平和な島でした。ですが、豊富なリン鉱石が発見されたことが住民の運命を変える大きな原因になります。

リンは化学肥料の原料などになるので、リン鉱石の採掘と輸出によってこの島の住民は莫大な利益を得ることができました。その利益はピークで年間で200億円以上にもなったというから驚きです。

ちなみにリン鉱石とはアホウドリの糞などが化石化したもので、グアノとも呼ばれています。ナウルは珊瑚礁の上にアホウドリの糞が積み重なってできた島だったのでグアノが豊富にあったのです。

当然ですが、鉱石は掘ったら無くなってしまうものです。1989年に初めてリン鉱石の産出量が減り、政府も資源が枯渇した時のことを考えて投資事業に乗り出しました。ハワイやオーストラリアなど海外のオフィスビルやホテルなどの不動産を買ったり、航空会社を経営するなど様々な試みをしましたが、その全てに失敗しました。また誰でも安く銀行設立できる国になって外貨を稼ごうとしましたが、マフィアやテロリストのマネーロンダリングに利用されて世界的非難を浴びて止めることに。

そうこうしている内に国費がなくなり年金やインフラが維持できなくなりました。突然音信不通状態になって世界中と連絡がつかなくなってしまった事もあります。調査団の報告の結果単なる通信機器の故障だとわかったのですが、誰も直せる人がいなかったのですから仕方がありません。

今からかつての自給自足生活に戻ろうとしても祖父の代から働いたことのない国民ばかり。鉱石の発掘も海外の労働者にさせていたので今の国民は誰も働き方がわかりません。

現在は鉱山を掘り下げればまだ埋蔵量はあるとして再びリン鉱石に期待をかけていますが、国自体が海面上昇の影響で水没してしまうかもしれない状況に陥っているようです。